夢を実現させる不動産学
明海大学 不動産学部長 中城 康彦
不動産を使える社会へ
不動産は人間活動に必要不可欠で、誰も、何時も利用していますが、あまりにも当たり前のことから、日常生活では水や空気と同じように、その存在を意識することさえ稀です。
豊かな社会とは、適時適切に合理的な対価で目的に応じた不動産を使うことができる社会ですが、消費者保護に厚い日本の法制度は貴重な一方で、国民の不動産リテラシーが育ちにくいという反作用を生んでいます。
高度経済成長を経て成熟社会となり、さらに、少子長寿社会が本格化する今後は、個人生活においても、企業活動においても、不動産リテラシーを高め、適時適切に不動産を使える社会を意識的に作り出していくことが必要となります。個人生活ではリバースモーゲージによって高齢期の居住の安定を確保することがその例ですし、企業活動では企業用不動産(CRE)戦略を強化して企業活動の効率性を高めることがその例です。
明海大学の「不動産学」
明海大学不動産学部は、日本で唯一、不動産を科学する学部です。土地や建物、さらには地域や環境を題材に、人と人の関係を律する法学、社会の仕組みを解明する経済学、物的な状態を知る工学、持続可能な仕組みを構築する経営学の4つの学問を学びます。法学は契約を結ぶ、経済学は価格や賃料を決める、工学は建築や都市を開発する、経営学は投資効率を判定するなど、実学としての不動産学を学ぶことで幅広い知識が身に付きます。
不動産学部では4つの学問だけでなく、それを統合する不動産学を修めます。新たな仕組みを生み出す構築力を養うことによって、リバースモーゲージやCRE戦略に例示されるこれからの課題に解決策を与えることができる人材~次代の担い手~を育てます。
三つのコースで不動産学を学ぶ
得意を伸ばす三つのコース
コースによって4つの学問の比重が異なる
幅広い活躍の場「永遠のしあわせ学」
不動産業では狭くとらえても130万人が働いており、毎年3万人程度が退職します。これに対して日本で不動産学を学ぶ学生は明海大学の180人だけです。計算上、一人当たり約170倍の求人がありますので、就職戦線は極めて有利です。
就職先は不動産業に限りません。不動産業と関連の深い建設業はもとより、不動産を担保にとる金融機関、生産拠点をどこに構えるかが世界のライバルと戦うための生命線となる製造業、少しでも立地の良い場所に拠点を構えることが成功に直結する流通業や飲食業など、すべての企業で不動産の専門家を求めています。また、Society5.0を支えるIT企業も、ビジネスチャンスを取り込むために、不動産の専門家を積極的に採用します。行政財産の効率的運営や徴税のための不動産の適正評価が課題の地方公共団体も不動産に明るい人材を求めています。
不動産の仕事は女性にも適しています。アメリカでは不動産業では多くの女性が活躍し、支えていますが、日本もそうなります。起業して社長になることができる、定年なく働くことができるなど、働きがいがあり、歳をとればとるほど良い仕事ができ、人生100年時代に不安がないことも不動産ビジネスの魅力です。
不動産は個人の幸福、会社の発展、社会の豊かさ、経済の成長の舞台です。不動産学はこれらのすべてを実現することにつながる永遠のしあわせ学です。私たちのキャッチフレーズは「夢を実現させる不動産学」です。