学生が日頃の成果を発表
明海大学不動産学部研究報告
ポスターセッション

 2024年1月19日(金)、明海大学講義棟1階ノースウィングで、「2023年度明海大学不動産学部学生研究報告ポスターセッション」が開催され、6つのゼミと、千葉県木更津市での「木更津プロジェクト」、山形県上山市での「かみのやまプロジェクト」に携わった学生が成果を発表しました。

木更津プロジェクト

「木更津プロジェクト」では、「未来に向けた木更津市の不動産再編提案」と題し、都市経済学、建築工学、法学・政治学の3つの立場から、木更津市の現状や問題点、そして解決策について提言しました。

都市経済学からは、アクアライン開通後、JR木更津駅周辺よりも、都心と結ぶ高速バスの乗り場や、車の便が良い地域に人が集まっていることについて、駅周辺の空洞化対策および周辺に住む高齢者への対策として、駅と病院や大型商業施設を結ぶバスの便の整備を提案しました。

建築工学からは、高齢化率の高い地域の空き家に、若い子育て世代に入居してもらうため、公園を活用して「幼老複合施設」や「果樹園」の整備を提案。また、市営住宅跡地に長期需要に対応した木造住宅を建設して定住化を促進する案などを示しました。

法学・政治学からは新住民と地元住民との融合を模索する上で、地域で暮らす人を中心に、市や外部の人が長期的に関わっていくことが重要であると発表しました。

同プロジェクトに参加した学生からは「自分たちの研究が世の中の役に立っていると実感できた」の声が聞こえました。

木更津プロジェクト1
木更津プロジェクト2

かみのやまプロジェクト

山形県上山市で不動産会社を経営する不動産学部の卒業生の仲介で、同学部と上山市が連携して空き家や空き地問題に取り組んでいます。
今回は、二つの取り組みについて発表しました。

一つは、かみのやま温泉駅の西エリア、上山城の周辺の空き家や空き地を活用して、衰退した地域の再生を図ろうとするものです。

もう一つは、同駅の東エリア、広大な工場跡地に、公園緑地を伴う住宅地を開発するというものです。将来、公園緑地ができたときのことを想定して、公園予定地で実験的にイベントを開催したときのことについて報告。
多くの家族連れの参加があり、十分な手応えを感じたそうです。
一方、こういった催しを地域主体で行うためには、地域住民がまちづくりを「自分ごと」として考える必要があると課題提起しました。

学生の中には、上山市に通うことでまちが好きになり、「今後も上山に携わる仕事がしたい」と話してくれる人もいました。

かみのやまランド


そのほか、6ゼミの1つ「中城ゼミ」の学生は、九州の空き家リノベーション例を紹介。九州ではリノベーション例を発表して、情報交換する場があるそうで、「関東でも同様の場があれば、空き家対策の一つになるのでは」と話しました。

中城ゼミ (1)
中城ゼミ (2)

学生の発表を聞いた、緑風会の後藤智副代表は「木更津の調査は、不動産業には必要な調査。時間をかけてじっくり調べた学生ならでは研究だと思う」と話し、原野ゼミの原野啓准教授は「学生が積極的に取り組んでいる姿に、こちらもやりがいを感じた」と感想を述べました。

今後も、不動産学部では、ポスターセッションを外部に向けた研究成果の発表の場として継続していく方針です。


ページトップへ